November 10, 2023

インドアナビゲーションに革命を:Hong Kong Fintech Week(ケーススタディ)

先日、香港で最も期待を集める年次イベントのひとつ、2023年Hong Kong Fintech Weekで、屋内ナビゲーションを提供する機会を得た。17,000平方メートルを超える会場に、1万人を超える参加者と数百の出展者が見込まれていた。

私たちはもちろん、このような聴衆に対し香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターのような象徴的な場所で、私たちの技術を披露できることを非常に楽しみにしていたが、この仕事を引き受けるにはいくつかの厳しい制約があった。

最終的に、私たちはこれらの課題を克服し、ナビゲーションを成功させ、何百人もの人々が自分の道やお互いを見つける手助けをすることができた。

この投稿では、特にイベントや会議での屋内ポジショニングの難しさに光を当て、その体験を可能にするのにポーズメッシュがどう適していたかを紹介したい。

4つの制約

基本的に、屋内ポジショニングは難しい。なぜならデジタル機器が世界の中での自らの位置をよく理解していないからである。

理論的には、会議の個々のブースの正確なGPSロケーションを記述することは可能だが、それは実質的には無意味である。なぜならナビゲートするデバイス自体がその座標に対する自らのポジションについての限られた理解しか持たないためだ。

屋内ナビゲーションを提供するためには、状況や会場が課す4つの制約の中で実現可能な屋内ポジショニングシステムを提供しなければならない:

1.時間的制約:会議を実施する会社が会場にアクセスできるのは、開場の1日か2日前であり、これが理論上、設営にかけられる最大の時間である。しかし実際には、開場ギリギリまで会場のブースやバナーの設営が終わらないため、実施可能な時間ががさらに縮まる可能性がある。

2.コストの制約:Fintech Weekは大きなイベントだが、数日間のナビゲーションを提供するために投下できる資本には相応の制限がある。ナビゲーションのために使用するポジショニングシステムは、会場が許容する時間とコストの枠内で展開しなければならない。

3.データの制約:世界中の主要な会議はどれもインターネットの不調に悩まされており、それは2つの異なる制約として現れる。ひとつは、妥当な時間内に確実に送信できるデータ量であり、もうひとつは、安定して接続できる時間の長さである。データの制約とは、ナビゲートするデバイスが内外に転送しなければならないデータ量を最小化するポジショニングソリューションが必要であることを意味する。

4.接続の制約:データの総量は問題のほんの一部に過ぎない。空間的または一時的にインターネット接続ができない時でもソリューションが機能するようにしなければならない。ナビゲーションのソリューションは、途切れがちになる可能性のある接続に対処しながら、できるだけ多くのケースで機能しなければならない。

ソリューションスペース

必要なポジショニングを提供する試みにはいくつかの方法があるが、最も可能性が高く、一般的で実用的なアプローチは以下の通りである:

ハードウェア・ビーコン:三辺測量に使用される、領域全体に散在する物理デバイス。通常はBluetoothまたはUWB。

Wifi/電磁フィンガープリンティング:領域の電磁環境でトレーニングされた機械学習モデル。

ビジュアルポジショニング:環境を事前にスキャンすることで、デバイスのカメラフィードと比較可能な3Dリファレンスが作成される。

ハードウェア・ビーコンは、データと接続の制約にはうまく対応できるが、常設ではない設備だとセットアップに時間とコストがかかる。数十から数百のビーコンが必要となり、それらを調達し、設置し、また撤去しなければならない。また、ハードウェア・ビーコンはデバイスの互換性という点でも最適なソリューションではなく、使い勝手に制限があるかもしれない。

Wifi/電磁フィンガープリンティングは、より斬新なアプローチであり、最良のシナリオでは1メートルの精度が得られる(現実的には、このユースケースにはこれで十分である)。しかし、そのようなフィンガープリンティングモデルをトレーニングする前に、まず指紋(フィンガープリント)をとらえなければならない。そしてその指紋は、開場前に物理的に大きく変化する環境では一定に保たれる可能性は低い。さらに、何千台ものデバイスが一緒に空間を移動することでどれほどの影響があるかが不明だった。このソリューションは、ビーコンがそうであったように、データと接続の制約にはうまく対処しただろうが、時間内にこのモデルをトレーニングする(あるいは環境を用意する)ことが可能かどうかはリスク要因であった。

ビジュアルポジショニングは、ほとんどの競合他社がデフォルトとするアプローチだが、制約のもとでは最も苦しむだろう。開場前の最後の1時間まで環境をマッピングすることは不可能だ。さらに、多くのビジュアルポジショニングモデルは、密に混雑しているときに環境を認識するのに苦労する可能性があり、このソリューションは良いインターネットに依存している。実際依存しすぎているので、私たちはいつも競合他社にARトレードショーでかれらのARマルチプレイヤーのデモをするように頼むのだ。なぜならほとんどの場合、デモができないからだ!17,000平方メートルのデジタルツインは、現実的には数百メガバイトから数ギガバイト程度になり、カメラ由来の情報をVPSシステムに送信することに頼っているため、インターネット接続に依存しすぎることになる。

私たちのアプローチ

私たちはポーズメッシュ上でマーカーベースのアプローチを取った。110個のすべて異なるQRコード「ライトハウス」を領域全体に配置し、それらの空間的関係をマッピングした。

本質的には、私たちのイベントスペースの「地図」は、座標システム上の110の異なる名前のポーズと、四角形で表現された歩くことのできるエリアのナビメッシュだった。

空間アンカーに必要とされた数百から数千メガバイトに比べ、全領域が250キロバイト以下のデータで表現された。

つまり、私たちはデータと接続性の両方の制約を克服し、ローカル・キャッシュを利用し、必要最小限のデータ交換から恩恵を得ることができる。

また、マーカーは完成された会議のレイアウトとは関係がない。いくつかのマーカーはすぐに配置することができたが、多くのコードは、セットアップの過程における無秩序な性質のため、ブースのセットアップ中に破損した。

他のアプローチと同様、実装するのに最小限の時間しかなかったが、会議が始まるかなり前に110個のQRコードを配置し、その関係をマッピングすることに成功した。

QRコードのもう1つの利点は、出会いをサポートすることである。コードは、新しい参加者を関連するアプリ体験や、それを始めるのに必要な情報へと向かわせるのに役立つ。何千ものスキャンが初日から記録され、ナビゲーションのセッションを完了した何百ものアプリのダウンロードにつながった。

ポーズメッシュはまた、その分散型ネットワークアーキテクチャ内のトラフィックを分散させ、各参加者が良い体験をする可能性を高めるのに役立った。

概要

大規模な会議に屋内ナビゲーション体験を提供するため、私たちはポーズメッシュ上のマーカーベースのポジショニングに注目した。

110の全て異なるQRコードが会場のフロアに設置され、何千ものスキャンとキャリブレーション、何百ものダウンロード、ナビゲーションセッションの成功を促した。

このソリューションは開場の前日に導入され、必要な地図データはわずか250kb、設備投資は耐キズ、反射に強い110個のマーカーを印刷する費用だけだった。

まとめると、マーカーベースのポジショニングは、課題があり変化する環境において、時間、コスト、接続、データ制限などの厳しい制約がある場合でも、きめ細かな屋内ポジショニングを可能にする。

ニルス・ピール(CEO)

素晴らしい結果を、このビデオでご覧ください:

アウキ・ラボについて

Aukiはポーズメッシュという地球上、そしてその先の1000億の人々、デバイス、AIのための分散型機械認識ネットワークを構築しています。ポーズメッシュは、機械やAIが物理的世界を理解するために使用可能な、外部的かつ協調的な空間感覚です。

私たちの使命は、人々の相互認知能力、つまり私たちが互いに、そしてAIとともに考え、経験し、問題を解決する能力を向上させることです。人間の能力を拡大させる最も良い方法は、他者と協力することです。私たちは、意識を拡張するテクノロジーを構築し、コミュニケーションの摩擦を減らし、心の橋渡しをします。

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ポーズメッシュについて

ポーズメッシュは、分散型で、ブロックチェーンベースの空間コンピューティングネットワークを動かすオープンソースのプロトコルです。

ポスメッシュは、空間コンピューティングが協調的でプライバシーを保護する未来をもたらすよう設計されています。いかなる組織の監視能力も制限し、空間のプライベートな地図の自己所有権を奨励します。

分散化はまた、特に低レイテンシが重要な共同ARセッションにおいて、競争優位性を有します。ポスメッシュは分散化運動の次のステップであり、成長するテック大手のパワーに対抗するものです。

アウキ・ラボはポスメッシュにより、ポーズメッシュのソフトウェア・インフラの開発を託されました。

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